鉄子物語1(子犬が欲しい!)


さて、昔話ばかりでもなんですから
パピヨン鉄と私の出会い、そして今までのお話を連載で綴ってみたいと思います。


10年前、妻を病気で亡くした後、
一人暮らしになった私は寂しくて、少し欝っぽくなってしまった。
近くにいる長女の家族が様子を見にきてくれたり、
次女の家族が遊びに来てくれても気が晴れず、特に雨の日は大変気持ちが落ち込んだ。


ジグソーパズルをたくさん買ってきて、朝から晩まで作ったり
散歩したり、ドールハウスを買い込んだり、
囲碁の会に参加したり、色々やってみても虚しさは消えなかった。


そんなころ、次女の家でシェルティを飼いはじめ、遊びに行くと、私に非常に懐いた。
とても可愛くて、犬と暮らすことを考えはじめ婿や娘達も子犬を飼う事を勧めてくれた。


じゃあ!子犬を探そう!
と意気込んで、まず犬種はシェルティに似た小型のパピヨンに注目。
私が買った飼育雑誌には「パピヨンはしつけやすく従順で
お年寄りも飼いやすい。しつければ無駄吼えも無い」と良いことが書いてあったので
それでは、パピヨンに決定だと、毎週のように娘とパピヨン探しに出かけた。
(後でこの説明はすべてのパピヨンに当てはまらないと確信した)
オスだと家の中のおしっこの躾が大変かもしれないと思い、
最初からメスを求めた。


そして同時に、家の中で犬を飼ってよい物件を借りておいた。
一軒屋で少し広くなったが、一階は少し日当たりが良くなかった。
近所に犬は少なく猫が多い。


パピヨンを探し始めてなかなか見つからず
しばらくたった日曜日、また娘とペットショップめぐりに出かけた。
朝から犬探しだ。まず池袋。
東武デパートの屋上を見る。特に気に入った犬はいなかった。
次に西武デパートに行く。ここにもいなかった。
また巡り会えなかったと疲れた。


西武線で家に帰る途中、ひばりが丘の西友に寄って見ることにする。
3階角のペットショップに、犬を見に行く。
多くの犬と猫が外から見える小さなガラスの箱の中にいて
紙を細く切ったのが入れてある。
その箱の中は、小さな犬なら運動に十分な広さだ。
そしてそこには茶色い耳の小さいパピヨンがいた。
昨日ここに来たばかりという子犬。そしてメス。


店員さんが通れてきて、抱かせてくれた。
なんとも可愛らしい顔で、もうすぐに私の顔や手をペロペロなめてくる。
柔らかい暖かい小さい体。そして抱いているうちに手の中でぐっすり眠ってしまった。


さあ、もうこんな可愛い子を抱っこしてしまったら
連れて帰るしかないであろう。
店員さんに「この子、ください」と思わず言ってしまった。


なんだかだと、子犬の用品を買い揃えると結構良い値になったが、
なにものにも換えがたいものがあった。


そこまでは、良かったのだ。
さて!!帰りのタクシーの中でもうすでにこの子は暴れん坊振りを発揮していた。


小さい箱の中から脱走しようと大騒ぎ。
やっとの思いで、自宅に着く。さあ、これからが大変。


でも、今日から子犬との楽しい生活が始まる。
昔、柴犬を飼ったことがある私は、犬など簡単にしつけられると
まだこのあたりまでは楽観し犬との生活への期待に胸膨らんでいた。


さてさて、お話は次に続く。




1日目の夜。ケージの中で。



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